営業許可
営業する為にどんな手続きが必要?

日本で移動販売をはじめるには、必ず保健所での「営業許可」が必要になります。営業許可の種類には「営業自動車」と「食品営業自動車」の2種類があり、社内で調理するキッチンカーの場合は「食品営業自動車」が必要です。この保健所の営業許可は、全国で統一されたチェック項目があるわけではなく、同じ都道府県でも市ごとに許可が必要な地域があったり、県下一円で許可が1つでOKの地域があったりと、各都道府県によって条件が異なるため、営業を行いたいエリアを管轄している保健所に必ず製作を開始する前に、一度確認しておく必要があります。

保健所の主なチェック項目

保健所で移動販売車の営業許可を取る際に、こちらでいくつかの保健所に電話で問合せをして、共通していた条件をご紹介します。
●運転席と調理販売スペース
運転席と調理販売スペースを完全に区切っている必要があります。軽トラやトラックでは仕切られているので問題ありませんが、軽バンのような車両では衛生上問題ないように完全に仕切る必要があります。

●2層シンク(愛知など一部地域は3層シンク)
調理用と手洗用で2つのシンクを設置しなければいけません。地域によっては調理用に2つのシンク、手洗用に1つのシンクの3つのシンクが条件になっている地域もあるので必ず保健所に確認しましょう。シンクは具体的なサイズまでの指定はありませんが、充分に洗える広さと深さのもの用意してくださいと保健所から言われることが多いです。

●給水タンクと排水タンク
販売するメニューや調理場で行う作業工程によって、必要なタンクサイズが異なります。例えば、扱う品目では1品目なら各40L、2品目なら各80L、麺類など大量に水を使用する場合は各200L、また1品目でも作業工程が切る・焼くなど2工程を調理場で行う場合は各80Lが必要になります。申請する保健所で、図面が完成したタイミングで伺い、扱うメニューや作業工程を伝え、タンクのサイズは何リットル用意しなければいけないか確認するようにしてください。

●蛇口
上下式蛇口で肘などで止めることができる、足踏式のタイプなど、水の開閉による再汚染防止が満たされていることが条件になっています。

●換気設備
移動販売車では側面に大きな販売窓が備えられるため空気の流れ、換気は満たされますが、衛生上で販売時に開けっ放しにならないように、窓サッシを取り付け簡単に窓の開閉ができることが必要になります。また、地域によっては別途換気扇の取付けが条件になっているところもあるので必ず保健所に確認しておきましょう。換気扇の取り付けにはBOXに換気扇用の穴を開けておく必要があるので、制作時に一緒に作っておけばコストも安価にすみます。

●冷蔵庫
冷やす材料を扱う場合には必ず、冷蔵庫や冷蔵冷凍庫の設置が必要です。庫内の内側には温度計をつけておく必要があり、100均などで販売されているものでも良いので必ずつけておきましょう。

●手洗い石鹸やアルコール
手洗い石鹸やハンドソープ、アルコールスプレーは、手洗いシンクの近くにおけるスペースを確保しておき、申請当日は担当者にここに設置してますと説明できるように準備をしておきましょう。

●蓋付ゴミ箱
ゴミ箱を設置しておかなければいけませんが、ポイントは蓋がついていることですので注意しましょう。

●蓋付収納ケース
紙皿や調理器具を保管するために、蓋付き収納ケースを用意しておき、申請当日は担当者にここに収納しますと説明できるように準備しておきましょう。

●床や壁のつくり
床や壁は耐久性や掃除しやすいように作られていることが条件になっています。制作を依頼する会社に壁や床などの素材を確認し、保健所担当者に説明できるようにしておきましょう。

保健所での申請手順

では、具体的に営業許可を取得するために何をすればよいのか、その申請手順を紹介します。

①管轄の保健所に確認する
販売予定の最寄の保健所に電話をして、移動販売調理営業に必要な設備を確認しましょう。後日、図面が完成した際に保健所へ行き、図面をもとに営業許可の条件を満たしているか、最終確認を担当者にしていただきます。(全国市区町村の管轄の保健所一覧

②車両持込検査の日程を決める
保健所での車両検査は予約をしていないと待ち時間が長かったり、受けられない場合もあるので、必ず事前に保健所と検査日を決めておきましょう。

③車両持込検査を行う
保健所に①で確認した内容を元に製作した車両を持ち込んで検査を受けます。

④申請書類を提出する
車両検査が無事に通過すると、申請書類の提出および申請手数料を支払います。
※許可申請に必要な申請書類はのちほどご紹介します

⑤営業許可証を受け取る
営業許可証が交付が決定すると、保健所へ受け取りにいき、営業が行えるようになります。

保健所へ申請するときに必要な書類
・営業許可申請書(東京都サンプル
・営業設備の大要と配置図(東京都サンプル
・営業の大要(東京都サンプル
・許可申請手数料(参考費用:15,000円~20,000円程)
・食品衛生責任者の資格を証明するもの(保健所に事前予約し6時間程の講習を受け取得 参考費用:10,000円)
・登録事項証明書(法人の場合のみ)
・仕込み場所の営業許可の写し

出店場所はどうやって探すの

保健所での営業許可の取得に必要な手続きについて理解できました。では、実際に営業許可を取得した後、自分が出店したいエリアで、どこで出店できるのか、どのように交渉しているのか、そのやり方について見てみましょう。