キッチンカーフライヤーの選び方
電気・ガス・油処理・おすすめ機種・価格相場

キッチンカーで唐揚げやポテトなど、揚げ物メニューを提供したい方に欠かせない設備が「フライヤー」です。
一口にフライヤーといっても、電気式・ガス式の違いや、消費電力・油の管理方法・設置スペース・安全対策など、考えるポイントは多くあります。
初めてキッチンカーを開業する方にとっては業務用のフライヤーとは縁がなく「どれを選べばいいの?」「値段はどのくらい?」と迷うのでおすすめを教えてほしいと質問を受けることが多いです。
この記事では、キッチンカーで使えるフライヤーの選び方から、おすすめ機種、設置の注意点、価格相場までをわかりやすくご紹介します。
こんな方におすすめです↓
・揚げ物メニューでキッチンカー営業を始めたい方
・電気式とガス式、どちらが自分に合うか迷っている方
・フライヤーの油処理や設置方法、安全対策を知りたい方
・コストを抑えて中古や小型タイプを探している方
・業務用で選ばれている機種を知りたい方
01. キッチンカーで使うフライヤーとは?
02. フライヤーの種類と特徴(電気式・ガス式)
03. フライヤー設置方法と注意点
04. ガスと電源の確保方法
05. フライヤーの油処理とメンテナンス
06. キッチンカーフライヤーの価格相場と選び方
07. おすすめのメーカー
01. キッチンカーで使うフライヤーとは?

フライヤーは、油を加熱して揚げ物を作るための調理機器です。
キッチンカーでは、唐揚げ・ポテト・揚げパン・天ぷらなど、人気メニューに欠かせない設備として多く導入されています。
揚げ物営業で必要とされる理由
揚げ物はキッチンカーとの相性が抜群です。
・「調理オペレーション」がシンプル
・「回転率」が良く行列対応もしやすい
・「揚げたて」の魅力が売れる
・「客層」を選ばず売れやすい
というメリットがあるため、キッチンカーとの相性がとても良いのが特徴です。
保健所の営業許可で求められるポイント
保健所の申請では、以下の点が確認されます。
保健所チェックでは、以下のような点が確認されます。
・換気設備があるか
・フライヤーの設置位置が安全か
・油の保管、廃棄方法が説明できるか
「油の扱い」について質問を受けるケースが多いため
あらかじめ準備しておきましょう。
02. フライヤーの種類と特徴

フライヤーは大きく ガス式と電気式の2種類あります。
ガス式フライヤー
本格的に揚げ物を行う方が最も選ぶタイプ。
メリット
・加熱力が強く立ち上がりが早い
・連続調理、大量販売に強い
・電力に依存しない
デメリット
・LPガスの設置と安全管理が必要
・熱が車内にこもりやすい
・換気環境の確保が必須
ガス式は、フライヤーを使うメニューを「主力商品」として提供する方向けです。
電気式フライヤー
少量調理やサブメニュー向けで考えている方が選ぶタイプ。
メリット
・操作が簡単で温度管理がしやすい
・初期コストが比較的安い
・火を使わないため安全性が高い
・室内でも使いやすい
デメリット
・消費電力が大きい
・電源の確保が必要
・加熱がガス式より遅い
どちらがキッチンカーに向いている?
・大量調理、専門メニュー → ガス式
・安全性、操作性重視 → 電気式
軽バン・省スペース車両は電気式、
トラックや大型車両はガス式が選ばれやすいです。
03. フライヤー設置方法と注意点

独立タイプと卓上タイプ
単独で置ける縦型の独立タイプや、作業台に乗せる卓上タイプがあります。
独立タイプは、換気のことも配慮してキッチンカーの四角のいずれかの角に設置されることが多いです。
サイズ目安は幅が400〜500mm、奥行きが450〜600mm、高さが800mm前後なので、幅と高さは特に気にならずに配置できますが、奥行きがは通路に影響してきます。
軽トラックだと奥行き600mmの場合、移動に邪魔にならない場所に配置することで営業効率がよくなるので意識して配置してください。トラックだと車両幅が1650mm前後ある車両が多いので、奥行きもそこまで気にしなくても配置できます。
卓上タイプは、作業台の上に設置するケースが多いです。作業台の幅と奥行きに合わせて設置できるサイズを選ぶと良いでしょう。
作業台の幅は900〜1500mm、奥行きは450〜600mmが一般的で、多いのは幅1200mm・奥行き450mmタイプの作業台です。この作業台のサイズに設置できる卓上タイプのフライヤーを選び、作業台に固定すれば完了です。
独立や卓上のいずれのフライヤーの周辺は、最低30cm以上の余白を確保し、油煙対策のため換気扇と吸気口をセットで設置しておくとよいでしょう。
油ハネ・火災対策
・壁面にステンレス板や耐熱パネルを貼る
・フライヤー下にオイル受けプレートを設置
・蓋付きフライヤーを選ぶと油ハネを防ぎやすい
油汚れは放置すると配線火災の原因にもなるため、施工段階での対策が重要です。消火器(粉末より強化液消火器がおすすめ)を常備しておきましょう。
換気扇の配置
揚げ物は匂いがこもりやすいので換気扇の下にフライヤーを設置するケースが多いです。トラック車両では換気扇を2基設置する方もいます。
走行中の安全固定
油は走行中に揺れるため、必ず運搬前に油を抜いておきましょう。フライヤー本体はL字金具とビスでしっかり固定して、振動により転倒しないように対策が必須です。
04. ガスと電源の確保方法

ガス式の場合(LPガス)
・ガスボンベは8kgや10kgが一般的
・ボンベは横倒し厳禁、金具またはベルトで固定
・補充は地元のガス屋と契約
キッチンカーは新規契約が通りにくい場合があるため、制作会社や先輩出店者に紹介してもらうのがおすすめです。
電気式の場合
消費電力は機種によって異なりますが1000〜3000Wを目安にするとよいでしょう。外部電源がない出店では発電機または大容量バッテリーが必要になります。
05. 油処理とメンテナンス

使用後の油の処理方法
油は専用容器に保管 → 産廃業者、ガソスタ、自治体の回収を利用
使い終わった油は熱いうちに濾過すると長持ちします、
清掃・廃油処理の注意点
受け皿・網は毎日洗浄、タンク部分は週1〜2回の洗浄が目安です。
焦げや油カスは劣化・発火の原因につながります。
匂い・煙対策の工夫
換気扇と排気ダクトで排出経路を明確にしましょう。
活性炭フィルターを使うと匂いの軽減効果が期待できます。
匂いや煙は、換気と掃除の頻度で大きく変わります。
06. キッチンカーフライヤーの価格相場と選び方

新品・中古の価格帯
・電気式小型
新品 50,000〜70,000円
中古 25,000〜40,000円
・業務用電気式
新品 70,000〜120,000円
中古 30,000〜80,000円
・ガス式業務用
新品 100,000〜300,000円
中古 50,000〜150,000円
サイズ・容量別の選び方
・少量で回転重視 → 小型1槽タイプ
・メニュー数を増やす → 2槽タイプ
・大量販売 → 大型ガス式
07. おすすめメーカー
マルゼンやタニコーのフライヤーを選択される方が多いです。
・マルゼン
定番・丈夫・中古市場に多い
・タニコー
プロ仕様・耐久性が高い
・ニチワ電機
電気式で人気
揚げ物は、売上の柱になるキッチンカーでは定番の強いメニューです。
フライヤーはガス式か電気式かで営業力が変わるので、「熱源・換気・油処理・安全固定」にも配慮しながら、車両のサイズと提供量に合ったフライヤーを選ぶとよいでしょう。
キッチンカーにおすすめのフライヤー
独立・ガス式
卓上・ガス式
卓上・電気式
電気式フライヤーを使用する場合は、営業時の電源確保がポイントになります。特にキッチンカーでは「発電機」を使用する方が多いため、どんな発電機を選べばよいか、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉 キッチンカーで使う発電機の選び方&おすすめ機種ガイド









