キッチンカーのシンクと給水ポンプの選び方
必要な数・大きさ・保健所基準

キッチンカーで営業するためには、シンク(流し台)と給排水設備は必須です。
保健所での許可申請の際には
「シンクは何層必要か」
「どれくらいの大きさか」
「蛇口の種類」
「給水・排水は適切か」
といった点が細かく確認されるため
開業前にしっかり理解しておく必要があります。
とはいえ、
「2層と3層シンクって何が違うの?」
「地域でルールが違うって本当?」
「どれくらいのサイズなら通る?」
「給水ポンプってどれを使えばいい?」
と迷う人はとても多いです。
そこで本記事では、
・シンクの数とサイズの考え方
・保健所が見るチェックポイント
・車両に合わせた設置の工夫例
・給水ポンプの選び方とおすすめ機種
について現場で実際に使われている事例ベースでわかりやすくご紹介します。
こんな方におすすめです↓
・これからキッチンカーを開業したい人
・保健所の許可が取れるシンクの基準を知りたい人
・シンクの数やサイズに迷っている人
・給水ポンプにちうて知りたい人
・車両制作の前に設備を揃えたい人
01. キッチンカーにシンクが必要な理由
02. シンクのサイズ・大きさの目安
03. キッチンカー車種別に選ぶシンク
04. 給水ポンプの仕組みと選び方
05. 蛇口タイプ・タンクの選び方
06. キッチンカーにおすすめのシンク
01. キッチンカーでシンクが必要な理由

キッチンカーは「移動できる飲食店」。
そのため、店内と同様に「食品衛生管理が徹底できる設備」が必要です。
洗浄・手洗いが完結
食品を安全に提供するためには、
・調理器具の洗浄
・食材の簡易洗い
・手洗い・衛生管理
がキッチンカー内で完結できる必要があります。
地域によって異なるルール
保健所では、手洗い用と洗浄用が独立しているかを確認します。
・多くの地域では「手洗い用 + 洗浄用」の2層シンクが基本
・愛知など一部地域では「手洗い用1つ + 洗浄用2つ」の3層シンクが必要
・東京はシンク数は2層でOKの場合が多いが、縦×横×深さのサイズ規定が明確に設定されている
・審査内容は自治体によって異なるので、必ず開業エリアの保健所へ事前相談をおこないましょう
02. シンクの大きさはどれくらい必要

基本ルール
シンクのサイズでチェックされるポイントは「使う調理器具が洗えるサイズであること」です。
一般的なサイズの目安
・幅(内寸):25~35cm以上
・深さ:18cm以上(最低15cm以上を求める自治体が多い)
・排水口付き
東京都は明確な基準あり
東京都は明確な基準を設けられており
東京での営業を予定されている方は
このサイズを満たしていないと保健所の審査に通りません。
・内寸 幅45cm × 奥行36cm × 深さ18cm以上
を満たすシンクが2つあれば大丈夫です。
03. キッチンカー車種別に選ぶシンク

軽トラ・軽バンタイプ
シンクを「作業台に埋め込む」
→ 室内の作業スペースを広く取れる
シンクを「独立設置」する
→ 洗い物がしやすく、シンク位置の調整もしやすい
軽バンではスペースが狭く限られているため、「作業台に埋め込み」が一般的。
軽トラでは「独立したシンク」や「作業台埋め込み」を営業スタイルに合わせて選択されています。
シンク上部にフタを自作して、未使用時は作業スペースとして活用している方もいます。
注意点は、作業台に埋め込むタイプに使うシンクのサイズは、使用頻度と申請する保健所の基準に合わせて選ぶと良いでしょう。小さすぎると実用的でないと職員から指摘されるケースもあるので、そのあたりに配慮して選びましょう。
トラックタイプ
スペースの広いトラックタイプでは、業務用のシンクを選ぶ方が多いです。
設置場所は販売窓の反対側の右側面に設置しています。業務用の2層シンクでは、幅750〜900、奥行き450、高さ800mmなので、コールドテーブルや作業台とのサイズともツラが合いやすく、見た目も動線も含めて使い勝手がよいです。
業務用シンクはシンクの深さもあるので、保健所許可で指摘されたと聞いたこともないので安心です。
注意:シンクは必ず固定
走行中の振動などによってシンクが動くと危険なので、必ず金具やステーで壁面や床に固定をして動かないようにしましょう。
04. 給水ポンプの仕組みと選び方

蛇口から水を出すためには 電動給水ポンプが必要です。
給水ポンプの使い方
1.給水タンクにポンプを入れる
2.給水ホースと蛇口へ接続
3.電源をオン
4.水を吸い上げて蛇口へ送水
5.蛇口を操作すると水がでる
難しいことは一切ありません。
高価なポンプでなくてもOKです。
実際、現場では市販品の2000〜3000円程のポンプで大丈夫です。
05. 蛇口タイプ・タンクの選び方

蛇口タイプにも注意
保健所では「再汚染防止式」の蛇口であることが求められます。
○ レバー式(肘で上げ下げできる長さ) → 合格しやすい
○ 非接触式(センサー式) → 清潔面で特に推奨される
× くるくる回すハンドル式 → 審査に通らない
給水ポンプは電動一択
給水ポンプには電動と手動タイプが販売されています。
手動タイプは営業時の負担が大きく、長時間営業には不向きです。
電動タイプはスイッチをオンにしておけば蛇口を操作すれば水が出て、調理や手洗いに使用できて、水圧が安定し衛生的なので電動タイプを選びましょう。
給排水タンクの選び方
保健所では、給排水タンクが必要容量に達していることも確認されます。
タンク容量は40L、80L、200Lの3種類あり、提供する品目の内容、品目数、調理工程などによって、必要なタンク容量が変わってきますので、申請する保健所に実際に提供するメニュー内容を相談して、必要なタンク容量を確認して用意すれば大丈夫です。
保健所審査では実際に給水タンクに電動ポンプをいれて、蛇口から水が出ること、シンクから排水タンクへ水が流れることの実演もチェックされるので、シンク・タンク・蛇口・給水ポンプはセットで審査基準を満たすように準備をすることが大切です。
06. キッチンカーにおすすめのシンク

業務用シンクで選ばれる方が多いメーカーは
東製作所やマルゼンです。
シンク選びのポイントを抑えながら選ぶとよいでしょう。
・シンクの数:地域基準(2層 or 3層)
・シンクサイズ:使用する器具が洗えるサイズ
・タンク容量:40L、80L、200Lのいずれか
・蛇口:レバー式かセンサー式
・ポンプ:電動タイプ(12Vが多い)
・配管:漏れがなく、排水が清潔に処理できる
キッチンカーで採用の多いシンクは奥行きが450mm、高さが800mmのタイプです。作業スペースの動線や他の機材との高さが合わせやすいことが選ばれる理由です。幅はシンクの数によって異なります。
2層シンク
3層シンク
1層シンク
2層シンクをベースに、出店地域を拡大するときに3層シンクが必要なエリアなどの場合に追加で1層シンクのみを増設することも可能です。
シンクセット
作業台に埋め込みできるシンクセットです。保健所でサイズが問題ないか相談してから設置することをおすすめします。
電動ポンプ














